軟膏剤などの無資格調剤、薬剤師管理下でも“違反”

無資格調剤が反乱

薬局で働く薬剤師は、当然のことながら国家試験を受けて合格し資格を取得した人が雇われているのが普通です。
そのような人がいままで身につけてきた薬に関する知識を元にして調剤し、薬局を訪れた患者さんに処方箋に基づいて調薬し薬を渡します。

しかし薬局の中には資格を持たない人が薬剤師として調薬を行っているケースもあります。
このようなケースは度々あり、資格を持っていない人が薬剤師と偽って薬局で働く場合や、薬局で働いている無資格の事務員に調剤を行わせるケースもあります。
特に事務員が調薬を行うケースとしては、薬剤師が不在であったり、薬局が忙しいときに他の薬剤師から促され、違法と知りながらも行うケースが多く、この場合は、薬剤師がその事実を黙認しているということです。
無資格の人物が薬剤師として働いて発覚する場合は、患者からの薬に関する質問に答えられないので怪しく思われる、薬剤師免許の提出を求めたら持っていなかった、という場合に発覚します。

このような無資格者に調剤を行わせたということが発覚すれば、今までの事例では、厚生労働省から6ヶ月の業務停止を言い渡されます。

調薬行為はあやふやである

無資格者の調薬行為が行われる背景としては、知らずに無資格者を雇ったり、忙しいので無理に無資格者に行わせるなどのことがあります。
調薬とは薬剤師法の19条では明確に記載されておらず、日本薬剤師会によれば、処方箋を受け取ってから投薬、つまり患者さんに薬を渡すまでとされています。

この調薬という解釈をどのように行うかが決まっておらず、薬局によっても考え方は違います。
たとえば、薬剤師の監督の下で無資格者に調薬を行わせるのは問題なしと考えているところもあります。
また薬を患者さんの自宅まで届けないといけないというケースがあった場合、無資格者の事務員が届ければ、それは違法行為となります。

無資格者による調薬が行われるのは、高齢化社会による病院のニーズが増えて調薬する機会も増えたということもあります。
薬局としては、単純な調薬作業も薬剤師に行わせていると、多くの薬剤師を雇わなくてはならず、人件費が増えることになると考えている薬局もあります。

これからはますます高齢化社会の日本となり、薬局へのニーズも増えるので、今後どう対応するか、薬局での薬剤師に求められます。
もしも、無資格者による調薬が頻繁に行われて、それがニュースになれば、患者の不信感を大きくし薬局への信頼を失わさせるのも事実です。
一つの解決方法として、法律により薬の調薬のみを行えるような人物を雇えるようにすれば、薬剤師への負担もへり、無資格者の調薬も無くなるかもしれません。