「薬歴」ってなに?

薬の服用歴

病院で診てもらい処方箋を受取、その後薬局へ行けば薬剤師の方から薬を受け取ります。
薬は無料ではありませんので、あなたはいくらかのお金を請求されることとなります。
このときに請求される金額は薬の代金のみならず、他の代金も一緒に請求されます。
基本的には、
・調剤技術料
・薬学管理料
・薬剤料
の3つです。
薬の代金は薬剤料です。
そして薬学管理料の中に薬学の作成というのがあり、これも作成することによって患者さんから料金を請求出来ます。
ちなみに調薬技術料は、薬を揃えたりすることです。

薬歴とは、患者さんがどのような薬を服用しているかということを聞いて、それを薬歴として記録します。
この薬歴に基づいて調薬は行われるのです。

薬歴は患者を守る大切な記録

薬は使用方法によって患者さんに害を与えることもあります。
そのようなことにならないようにするためにも、正しい使用方法と使用量で薬を使うことはとても重要です。
しかし、薬剤師が調薬する場合、患者さんの薬を使用する場面を見ない限りどのような薬を使用しているかはわからず、そこで薬歴を作成するのです。

しかし薬歴というのは患者さんの服用した薬を聞くばかりではなく、アレルギーなどの体質はあるか、服薬中の体の異変はなかったか、併用している薬はあるか、残した薬はあるか、副作用の症状はなかった、なども聞かなければなりません。
薬歴を作成するのは、患者さんの薬の使用歴を把握するばかりではなく、患者の体質や副作用の有無などを調べて、今後の調薬に役立て、健康管理を行っていくということも目的なのです。

薬歴未記載が一般化している

薬歴は常に患者さんから使用などに関して聞き、最新のものを作っていかなければなりません。
このために、患者さんが薬局を訪れる度にヒアリングは必要です。
もしも薬を飲んでいないなら、他の薬に変えたり、飲まない理由を聞いたりしてフォローすることも行わないといけません。

しかし昨今では1000以上の薬局で薬歴を作成していないことがわかっています。
このような未作成の状況が起こる背景としては、調剤薬局の乱立と、患者数の増大による薬剤師の対応能力を超えた状況が生まれています。
忙しくて薬歴を作る暇がないと言う場合と、処方箋を優先して集めるようにと言われているので薬歴を作らないケースがあります。

この問題に関しては必要ないなら薬歴は廃止しろという声と、患者の健康管理には必要だという賛否両論があります。
しかし実際には薬歴があったために、重複して薬を使うことを避けられたなどの、患者さんの健康管理に役立っているケースも確実にあり、安易に廃止できるものでもないです。
また薬歴は診療の報酬をもらうためだけの作業としての記録であってもいけません。