知っておきたい最先端ゲノム医療

ゲノムとは

遺伝子は教科書にも載っているメンデルがエンドウ豆の実験によって発見したのが始まりであり、その後フレミングやワイズマンによってさらに詳しい内容が明らかになっていきます。

そして1944年には遺伝子の本体がDNAであるとわかり、DNA鑑定に応用されます。
また原因が分かっていなかった病気にも遺伝子が関わっているのではないかということも考えられ、最近では遺伝子治療という分野も出来ています。

その中でゲノムという言葉もあり、ゲノム医療という分野もあります。
遺伝子とゲノムは同じ言葉として認識されると思われますが、厳密には違います。

染色体の中にDNAがあり、DNAには遺伝子が含まれています。
染色体は人では46個セットになっており、このセットのことをゲノムと言います。

最先端ゲノム医学

近年遺伝子の役割は大きく解明されて起きており、ゲノム医療も少しずつ発展しています。
ゲノム医療では、遺伝子に異常があると病気になると考えられています。

遺伝子は人を形成する設計図であり、その設計図がおかしいと、作られるたんぱく質も狂い、その結果として病気に繋がると考えられています。
この話は日常的にも聞いたことがるのではないでしょうか。

この考えの基に遺伝子検査が行われています。
ここで遺伝子に異常が見つかれば病気になる可能性が高く、その病気に事前に対応できるのです。
ゲノム医療を研究する研究者は日夜難病に繋がる遺伝子がないか研究をしています。
難病を発病する遺伝子が見つかれば、それを検査すれば難病になるかどうかも特定出来ます。

特にがんは遺伝子が大きく関わっていると考えられています。
最近では遺伝子の元となるRNAのmiRNAに注目しており、これは様々な遺伝子を抑制する機能を持ち、がんにも関与しているのではないかと考えています。

遺伝子は人を形成する基本となる設計図であり、この設計図には人のありとあらゆる機能が書かれています。
この遺伝子のゲノムを解明することは、人の全てを解明することであり、とても重要です。
人の遺伝子部分の設計図は約2%の部分しか無く、他は設計に関係ないものです。

しかし最近ではこの関係ない部分も人間の機能に関係しているの出ないかと考えられるようになってきており、この部分の研究も始まっています。
研究を進めていくうちに、実はこの関係ない部分からもたんぱく質を合成するRNAが作られているというのが解ってきたのです。

日本では国立がんセンターが中心となってがんに関するゲノムを解明する研究を行っており、積極的にゲノム解明も行われています。

まだまだ未知の部分が多いゲノムですが、研究が進めば更に人の病気の治療の手助けとなるでしょう。
そして、その研究の先駆者となる人材の育成も今後の医療の発展の鍵となります。各医療機関では最先端の研究を行う研究者の募集も多くされています。