薬剤師は聴診器を持つべきか!?

薬剤師と補聴器

薬剤師というと、それは薬局や病院で調剤することが主な仕事となり、患者の病状などを検査することはありません。
白衣を着て調剤するので、薬剤師には補聴器は不要と思われていました。
しかし最近では薬剤師の現場も変わってきており、補聴器をぶら下げている薬剤師も珍しくありません。

薬剤師が補聴器を持つことで、病院などでは患者の病状を診ることも出来るようになり、医師や看護師の役割の一部を果たすことで、彼らの負担を減らすことも出来ています。
薬剤師にとっても患者により深く接することが出来るようになり、薬の専門家としての立場を確保でき、補聴器を持ち歩くことのメリットは大きいです。
ただし薬剤師が行えるのは患者の体調チェックのみだけであり、それ以外の行為は認められていません。
心拍数や血圧や体温を測ることは薬剤師でも出来ます。

しかし薬剤師が補聴器を持つには、病院全体のサポートと連携が必要です。
補聴器をもって患者さんの体調を検診することは、それだけ大きな責任も持つこととなるのです。
検診した内容は医師や看護師に必ず報告する必要があります。
また中には補聴器の使い方に不慣れな薬剤師もいることでしょう。
新人の薬剤師に対しては講習会を開くべきでもあります。
そのような方には、医師や看護師によって教えてサポートすることも求められます。
このように全体でサポートすることが大切です。

薬剤師としての役割

薬剤師が補聴器を持つことは、それだけリスクもあります。
患者の体調を知ることとなりますので、個人情報を知ることが出来、個人情報を薬剤師も適切に管理しなければなりません。
また患者さんに検診を行って補聴器を使う場合は、自分は薬剤師であることを伝える、また主治医からも許可されている、そして患者さんの同意を得ると言うことが大切です。
これらどれかを欠いて、無理に患者さんを検診することは許されません。
薬学的管理の一部として補聴器を使うことを認められていますので、目的を明確にしなければなりません。

薬剤師としては病院ではチーム医療の一環として、医師や看護師を手助けします。
また在宅医療においても補聴器を持つことは重要です。
自ら補聴器で在宅医療を受ける患者さんを検診すれば、薬剤師が積極的に医師に対して処方を提案する事が出来、より患者の立場になった処方が可能です。
より身近に患者に接することで、思い入れも更に強くなるかもしれません。

このようにして薬剤師が補聴器を持つことは、病院でも在宅医療でも大きなメリットがあります。
しかし同時に、薬剤師として身分を明らかにして検診を行うなどの注意も必要であり、リスクもあることを自覚しなければいけません。