スポーツファーマシストとは？

スポーツ選手をドーピングから守る

スポーツファーマシストとは、スポーツ選手をドーピングから守る人のことです。
日本では制度としてはまだ数年しか経っておらず、とても新しい職業であまり知られていません。
有資格者は6,000名ほどであり、資格取得はさほど難しくはありませんが、特殊な仕事なので需要は少なく、スポーツファーマシストだけで生活する人も少ないです。

一般的な薬でもドーピングに接するおそれのある成分は数百から数千もあると言われており、その成分がドーピングとしてオリンピックなどで発覚すると大変です。
たとえ誤って飲んでドーピングとして発覚しても、言い訳は通用せずに選手生命を絶たれることもあります。

しかしスポーツ選手と言えども、風邪になれば風邪薬を使うようなこともありますので、ドーピング違反にならないように、薬の選び方は重要です。
その薬を選定するのが、スポーツファーマシストの役目です。
資格を取得するには薬剤師の資格が必要であり、JADAの認定を受ける必要があります。
またドーピングに関する知識も身につけないとなりません。

実際に資格を活かせる場面は少なく、仕事内容だけを見ると華やかなイメージがありますが、現実は厳しいです。
スポーツ選手と日常的に接するような人でないと、資格を十分に活かすのは難しいです。
スポーツトレーナーなどの人には向いているかもしれません。

ドーピング違反を防ぐ

スポーツ選手が医者にかかる場合は、自身がドーピング対象のスポーツ選手だということも明確に伝えなければいけません。
しかし禁止とされている成分は多岐にわたりますので、医者の判断だけでは不十分なときもあります。
そのときは、スポーツファーマシストが薬剤師会ドーピングホットラインに問い合わせた方がいいでしょう。

薬局などで薬を購入するときは、スポーツファーマシストのいるところで買った方が安全です。
どの薬局に在籍しているかはインターネットなどで調べられます。
またスポーツ選手は、突然の怪我などに見舞われますので、その時に使用する薬にも十分配慮しなければなりません。
このような時にもスポーツファーマシストが重要になります。

しかしドーピングとして禁止されている成分は多く、どんどん増えていってますので、十分に情報が追いつかないということもあります。
その情報をどのように漏れの無いようにスポーツファーマシストが把握していくかというのは、重要な課題になります。
またスポーツファーマシストという職業は新しく認知度が低いので、今後広く知ってもらうようにしていき、重要な役割を持っていることをわかってもらうことも大切です。
講演会なども積極的に行っていくべきでしょう。